草の根・人間の安全保障無償資金協力
「山東省臨沂市沂南県孫祖中学校校舎建設計画の竣工式典を開催」
2009年6月18日
在青島日本国総領事館
6月18日、草の根・人間の安全保障無償資金協力案件「山東省沂南県孫祖中学校校舎建設計画」の竣工式が山東省のプロジェクトサイトで行われました。竣工式には、当館より齋藤法雄総領事及び古谷桂子専門調査員が、中国側より劉暁・臨沂市副市長、張安学・沂南県財政局局長ほかが出席しました。
(1)案件名:山東省沂南県孫祖中学校校舎建設計画
(2)被供与団体:山東省沂南県財政局
(3)案件概要:山東省沂南県孫祖鎮・孫祖中学において、新校舎1棟を建設するための資金を供与する。
(4)社会的背景・ニーズ:
山東省沂南県は省都済南より南東へ約180kmの距離に位置し、人口約90万人を擁する。同県は山間丘陵地帯に属するため交通が極めて不便で、他地域との往来が少なく経済発展が遅れており、県民の年間純収入は2,000元(約30,000円弱)にも満たない。県政府の財政状況も支出が収入を大きく上回るなど困窮しており(県政府04年財政:収入1.6億元、支出3.9億元)、当県は省内において、経済貧困県30県の1つとされている。
当県西部に属する孫祖鎮の義務教育の重要な担い手である孫祖中学校は、1987年に設立され、現在生徒886名、教員83名から成る中規模校であり、宿舎を含む校内施設の総建築面積は5,821㎡である。その内、危険建造物に指定されている校舎面積は2,164㎡に及び、これらの危険校舎には内壁、外壁に大きな亀裂が走ったり、屋根を支える垂木が腐乱したりする等の重大な欠陥が認められる。当校では危険校舎に対し、応急処置的な補修を可能な限り行い、危険度の殊に高い箇所は教室以外の用途(職員室など)に充てる等、差し当たりの対応は行っているものの、抜本的な解決策を実行するには至っていない。
県政府は以上のような事情に鑑み、孫祖中学校生徒、教員の安全確保、当校における学習環境の改善のため、危険校舎を取り壊し、敷地内に新校舎を建設することを決定したが、現地政府においては十分な予算措置を取ることが困難であるため、日本政府に援助を要請越したものである。
(5)裨益効果:
劣悪な学習環境で授業を行っている孫祖中学校の生徒886名が安全で快適な校舎で授業を受けられるようになり、当校の学習環境が大幅に改善される。
(6)供 与 額:89,908米ドル(実施当時710,278元相当)
(7)特記事項:
式において、コクヨ・インターナショナル株式会社より孫祖中学校に対し6,100冊のノートが寄贈された。