草の根・人間の安全保障無償資金協力
「山東省濱州市陽信県河流鎮中心小学校校舎建設計画の竣工式典を開催」
2009年6月19日
在青島日本国総領事館
6月19日、草の根・人間の安全保障無償資金協力案件「山東省濱州市陽信県河流鎮中心小学校校舎建設計画」の竣工式が山東省のプロジェクトサイトで行われました。竣工式には、当館より齋藤法雄総領事及び古谷桂子専門調査員が、中国側より万永格・濱州市副市長、馬福祥・陽信県県長ほかが出席しました。
(1)案件名:山東省陽信県河流鎮中心小学校校舎建設計画
(2)被供与団体:山東省陽信県人民政府
(3)案件概要:山東省濱州市陽信県河流鎮中心小学校の校舎不足問題を解消し、学習環境改善を図るべく、別の土地に新たに校舎施設を建設するための資金を供与する
(4)社会的背景・ニーズ:
濱州市陽信県は、山東省北東部、北京から約230kmの距離に位置し、面積は約793平方kmで、約43万の人口を有する。主要産業は農業で、主に綿花やナツメなどの生産を行っているが、05年県民平均年収は3,370元(約5万円)と貧しく、農業の他特筆すべき産業も無いため、当県は省級貧困県に指定されている。だが一方、当県は、市内6県2区(「県」と「区」は中国において同等の行政単位であり、「市」より1階級下のレベルにある)のうち高校入学率において3年連続トップになるなど教育水準は高く、教育関連事業に対する県政府、県民の関心は高い。
本件で扱う小学校は、県南東部に属する人口約3.9万の河流鎮のほぼ中央に位置している。1987年に設立された当校は、06年10月現在生徒482名、教員28名から成り、特別教室や教員宿舎などを含め6棟の平屋校舎が現存する。これら校舎は当校設立当時に建築されたもので老朽化が進んでおり、校舎によっては屋根にひずみが生じていたり、ドアに穴が空いていたりするなどの欠陥が散見される。さらに近年、児童数の増加に因る校舎不足問題が顕在化しており、図書室などの特別教室も普通教室として兼用せざるを得ないほど校舎が狭隘であるため、校区の就学年齢児のうち約80名が学校に通えない状態にある。また、当校6学年の生徒37名は現在約800m離れた中学校で授業を受けており、生徒管理、授業を行う面で多大な不便を来している。07年9月には、当校生徒数はさらに100名ほど増加すると見込まれており、このままでは校舎不足問題は更に深刻化し、学校に通えない児童が増加するものと懸念される。
かかる状況を改善するには、学校規模を適正水準まで拡大すべく、新たに学校施設を建設することが必須であるが、現地政府においては十分な予算措置を取ることが困難であるため、日本政府に援助を要請越したものである。
(5)裨益効果:
劣悪な学習環境で授業を行っている河流鎮中心小学校の児童482名、および学校の収容能力不足のために通学できない就学年齢児約80名が安全で快適な校舎で授業を受けられるようになり、当校の学習環境が大幅に改善される。
(6)供 与 額:89,126米ドル(実施当時702,317.53元相当)
(7)特記事項:
式において、コクヨ・インターナショナル株式会社より河流鎮中心小学校に対し3,000冊のノートが寄贈された。