中国についての海外安全情報(危険情報)の発出
平成27年12月1日
外務省が以下のとおり中国についての海外安全情報(危険情報)を発出しておりますのでお知らせします。
(以下外務省発出の中国についての海外安全情報(危険情報))
●新疆ウイグル自治区
:「レベル1:十分注意してください。」(継続)
●チベット自治区
:「レベル1:十分注意してください。」(継続)
☆詳細については,下記の内容をよくお読みください。
1 概況
(1)中国では,外国人が居住している地域や観光スポット等の治安状況は比較的安定しており,一般的な注意をしていれば犯罪に巻き込まれる可能性は少ないといえます。但し,国土が広く,すべての地域で同じように治安が安定しているわけではなく,中国の様々な地域で暴動が発生しているとの報道もあります。滞在・旅行される地域の情報の収集が重要です。
(2)また,一般的な治安は良くても,対日感情が悪化し,邦人や日系企業を狙った抗議行動等が行われる可能性もあるので,日中関係の推移の影響については常に注意が必要です。
(3)中国国内では,新疆ウイグル自治区とチベット自治区について危険情報(「レベル1:十分注意して下さい。」)を発出しています。新疆ウイグル自治区においては,2014年にウルムチ市の駅前や市場において爆発による無差別殺傷事案が発生するなどしています。チベット自治区やその周辺地域ではチベット族が焼身自殺をする等の事案が発生しており,治安情勢において不安定要因も散見されます。このような地域では引き続き注意が必要です。
(4)また,2013年10月に北京市の天安門に車が突入し死傷者が出る事件,2014年3月に雲南省昆明市の駅構内で無差別殺傷事件,2015年9月に広西チワン族自治区柳州市柳州県で爆弾が爆発し複数名が死亡する事件等,新疆ウイグル自治区以外においても民族や宗教に絡む凶悪な事件が発生しました。
(5)邦人が軍事施設の写真撮影や未開放地域への侵入,無許可での測量等で身柄を一時拘束された事案も発生しており,最近,中国当局は,同種事案の取締りを特に強化しています。日本との体制・制度の違いについても,治安への注意と共に,十分に理解することが必要です。
(6)シリアやチュニジアにおいて日本人が殺害されるテロ事件をはじめ,ISIL(イラク・レバントのイスラム国)等のイスラム過激派組織又はこれらの主張に影響を受けている者によるとみられるテロが世界各地で発生していることを踏まえれば,日本人,日本権益がテロを含む様々な事件に巻き込まれる危険があります。このような情勢を十分に認識し,誘拐,脅迫,テロ等の不測の事態に巻き込まれることがないよう,海外安全情報及び報道等により最新の治安・テロ情勢等の関連情報の入手に努め,日頃から危機管理意識を持つとともに,状況に応じて適切で十分な安全対策を講じるよう心がけてください。
2 地域情勢
(1)新疆ウイグル自治区
:「レベル1:十分注意してください。」
ア 新疆ウイグル自治区では,2009年に区都ウルムチ等で発生した暴動により多数の死傷者を出しました。その後も,同自治区のカシュガル地区やホータン地区で無差別殺傷事件等が発生しており,2014年にはウルムチ市の駅前や市場(バザール)付近での無差別殺傷事件で多数の死傷者が出ています。すべての事件が報道されていない可能性もあり,また,今後も不測の事態が発生する可能性は排除できないことから,引き続き注意を払う必要があります。
イ また,同自治区のうち,アフガニスタン及びパキスタンとの国境付近は,両国の情勢の影響により,治安が不安定となる可能性があるため注意が必要です。(アフガニスタン及びパキスタンについては,別途「危険情報」が発出されています。)なお,国境地域では,国境が一時的に閉鎖されたり,崖崩れにより国境付近の道路が通行不能になる等の状況も発生しています。特に中国-パキスタンを結ぶいわゆる中パ道路は,途中で5000メートルの峠を越す山岳ルートであり,治安だけでなく自然環境も厳しい場所ですので,陸路での移動はお勧めできません。
以上の状況から,現在新疆ウイグル自治区については「レベル1:十分注意してください。」が発出されています。不測の事態発生の可能性は依然として排除されません。同自治区に渡航・滞在を予定されている方は,上記情勢に加え,同自治区が在中国日本国大使館のある北京から遠距離にあることから,事件・事故等,不測の事態が発生した場合,邦人援護を目的とした同大使館員の現地入りには時間がかかる点にも留意しつつ,現地情勢に関する情報入手に努めるとともに,渡航・滞在の適否を判断し,また旅行日程等を慎重に検討して,現地では不測の事態に巻き込まれないよう十分注意を払ってください。
(2)チベット自治区
:「レベル1:十分注意してください。」
ア チベット自治区では,2008年に僧侶等によるデモが相次ぎ,デモ参加者の一部が暴徒化するなどして多数の死傷者を出しましたが,現在,同自治区内に特段危険な状況は認められず,概ね平穏な情勢が保たれています。ただし,僧侶の焼身自殺事案が発生しているとされ,当局は一定の警戒態勢を敷いています。
イ また,同自治区では毎年2,3月頃等,厳重な警戒態勢が敷かれる可能性があります。チベット自治区を旅行する場合は,旅行社等を通じ,あらかじめ「入藏証(チベット自治区入境証)」を取得することでチベット自治区政府の許可を得ておく必要がありますが,当局の判断により一時的に外国人旅行客に対する「入藏証(チベット自治区入境証)」の発給が停止され,入境が制限される可能性があるため注意が必要です。
ウ また,チベット自治区は全般的に標高が高く(区都ラサの標高は3,650m,シガツェは3,850m,チベット鉄道全線の平均海抜は約4,500m(最高地点は5,072m)等),高山病にかかりやすいため,旅行の適否,行程の検討及び海外旅行保険への加入も含め事前準備等は入念に行ってください。同自治区は高山・山岳地帯であり,一般的に道路状況は良くありません。2014年8月には観光バスがトラック等と衝突し,崖下に転落して44名が死亡する事故も発生しています。
つきましては,同自治区に渡航・滞在を予定されている方は,上記情勢に加え,同自治区が在中国日本国大使館のある北京から遠距離にあることから,事件・事故等,不測の事態が発生した場合,邦人援護を目的とした同大使館員の現地入りには時間がかかる点にも留意しつつ,現地情勢に関する最新の情報を入手した上で渡航・滞在の適否あるいは旅行日程等を検討して下さい。事前に旅行社に対し「入藏証」の取得が可能かどうか確認すること及び海外旅行保険に加入することも含め,入念な準備を行って,現地では不測の事態に巻き込まれないよう慎重に行動してください。
3 渡航・滞在に当たっての注意事項
(1)中国では,社会体制,文化,習慣等が日本と異なることを常に念頭に置いて人々に接することが肝要です。日本や日中関係を巡って対日感情が悪化する場合には特に注意が必要であり,また,平時においても日本人の言動に過敏に反応される可能性もありますので,滞在中は節度ある態度や行動が望まれます。
(2)国内情勢の推移によっては,各地でデモ等不測の事態(混乱)が生じる可能性も排除できませんので,滞在中は下記の事項に十分留意して行動し,危険を避けるようにしてください。
○外出する際は,行き先の安全を確かめるとともに,行き先では周囲への警戒を怠らない。
○衝突,暴動等に巻き込まれないよう,集会,抗議活動(デモ)等が行われている場所,またその可能性のある場所には近づかない。
○パスポート等身分証明書を携帯し,不審尋問を受けたときに備える。
○家族や知人に行き先,居場所,連絡先を知らせておくとともに,定期的に日本の親族等と連絡を取る。
○身辺に危険を感じた場合には,速やかに安全な場所に避難する。
○万一,トラブルに巻き込まれた場合には,速やかに最寄りの日本国大使館・総領事館に支援を求める。
(3)中国国内には,一部,外国人の立ち入りが制限される未開放区域があります。同区域に入ろうとする場合は,査証取得の段階で立ち入りを申請するか,入国後であれば最寄りの公安局に申請して旅行証明書の発給を受け,該当区域の範囲や宿泊施設の有無等について十分説明を受けた上で入域するようにしてください。
(4)軍事施設等(軍事禁区,軍事管理区)は許可なく立入ることが禁止されています。また,外国人が許可なくGPS機材を用いた測量調査等を行うことは違法であり,外国人が拘束される等の処罰を受ける事例もあります。さらに,政府関連施設,軍事関連施設,一部の博物館・美術館,あるいはデモ等の政治的活動を撮影(写真・ビデオ撮影)することは原則として禁止されていますので,撮影を行おうとする際は,事前に規制の有無を確認するよう留意してください。
(5)中国政府は,麻薬等違法薬物の密輸,販売,運搬,製造,所持,譲渡等に係わる犯罪に対しては,極めて厳格な取締りや検挙が行われ,違反した場合の法定刑は非常に重く,最高刑には死刑が規定されています。「違法薬物とは知らなかった。」等の言い訳は通用しません。絶対に興味を示さないようにすることはもちろん,繁華街の路地裏など犯罪の温床となるような場所には近づかない,あるいは不審なもの(タバコ,高級茶葉と称される例が多い)を購入しないことが肝要です。また,自分では気付かないうちに「運び屋」として利用される可能性もあるので,特に空港等においては,見知らぬ他人からの荷物は絶対に預からないようにしたり,知らない間に手荷物に薬物等を入れられたりしないよう,手荷物の自己管理を徹底することが肝要です。
(6)都市部等において何らかの犯罪被害等に巻き込まれる例があり,旅行の際は,以下の点にも留意しつつ,常に慎重な行動を心がける必要があります。
○繁華街の路地裏等,犯罪が発生しやすいと考えられる危険地帯へは立ち入らない。
○夜間の路上の一人歩きは避ける。
○いわゆる「白タク」は利用しない。
○周囲の雰囲気に溶け込めるような服装を選択する。
○人目を引く振る舞い(人前で大金を見せるような行為,人前で誰かを罵倒するといった行為等)は厳に慎む。
○不要な大金を持ち歩かない。
○言葉巧みに話しかけてくる人物がいても,これに応じない。
また,「安全対策基礎データ」に日本人の犯罪被害例を掲載していますのでご参照下さい。
http://www2.anzen.mofa.go.jp/info/pcsafetymeasure.asp?id=009
(7)毎年,国内各地で大雨等による洪水や土砂崩れの被害が発生し,多くの被災者が出ています。渡航を予定する際には,常に気象関係の情報を入手するようにしてください。
(8)最近,中国では日本人のパスポートの紛失・盗難事案が多発しています。中国では日本大使館や総領事館で新しいパスポートや帰国のための渡航書の発給を受けることに加え,中国公安当局への遺失届や出国査証・滞在査証の取得等の煩雑な手続きが必要となり,1~2週間を要するとともに,この一連の手続が終了するまでの間,帰国や中国国内を移動することも不可能となりますので,絶対に紛失しないようご注意下さい。
(9)地域や季節によって,中国の各地で深刻な大気汚染が発生しています。在中国各公館のホームページに関連情報を掲載していますので参考にしてください。
(10)近年,鳥インフルエンザA(H7N9)のヒト感染例が各地で発生しています。H7N9以外の鳥インフルエンザの人への感染例・死亡例も報告されていますので,感染源とされる生きた鳥を扱う市場や家きん飼育場への立入りは避け,不用意に家畜・鳥に近寄ったり触れたりしない,外出先から帰ったときは手洗いを励行するなど,衛生管理に十分留意してください。最新の流行状況については,海外安全ホームページや在中国各公館のホームページを参考にしてください。
(11)A型・B型肝炎の感染例が比較的多いため,長期滞在する場合は予防接種をお勧めします。また,中国では毎年狂犬病による死者が報告されています。地方での滞在が長くなるような場合は,狂犬病予防接種をお勧めします。また,犬などの動物に咬まれたら,軽視せず,傷口を流水と石けんでよく洗い,最寄りの医療機関を受診してください。(参考)
世界の医療事情(在外公館医務官情報)
https://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/medi/index.html
(12)現地に3か月以上の滞在を予定する方は,旅券法(第16条)により「在留届」の提出が義務づけられます。緊急時の連絡などに必要ですので,到着後は遅滞なく,滞在される場所を管轄する日本国大使館・総領事館に在留届を提出してください。また,住所その他の届出事項に変更が生じたとき又は同滞在地を去る(一時的な旅行を除く)ときも,必ずその旨を届け出るようにしてください。
なお,在留届は,在留届電子届出システム(ORRネット:http://www.ezairyu.mofa.go.jp/ )による登録をお勧めします。また,郵送,FAXによっても行うことができますので,滞在地を管轄する日本国大使館・総領事館まで送付してください。
(13)在留届の提出義務のない3か月未満の短期渡航者の方(海外旅行者・出張者など)を対象に,現地での滞在予定を登録していただけるシステムとして,外務省海外旅行登録(「たびレジ」)を運用しています(https://www.ezairyu.mofa.go.jp/tabireg/ )。登録された方は,滞在先の最新の海外安全情報や緊急事態発生時の連絡メール,また,いざという時の安否照会連絡などの受け取りが可能ですので,ぜひご活用ください。
(問い合わせ窓口)
○外務省領事サービスセンター
住所:東京都千代田区霞が関2-2-1
電話:(外務省代表)03-3580-3311(内線)2902,2903
(外務省関連課室連絡先)
○外務省領事局海外邦人安全課(テロ・誘拐関連を除く)
住所:東京都千代田区霞が関2-2-1
電話:(代表)03-3580-3311(内線)5139
○外務省領事局邦人テロ対策室(テロ・誘拐関連)
電話:(代表)03-3580-3311(内線)3679
○外務省海外安全ホームページ: http://www.anzen.mofa.go.jp
http://m.anzen.mofa.go.jp/mbtop.asp (携帯版)
(現地公館連絡先)
○在中国日本国大使館
(管轄地域:北京市,天津市,陝西省,山西省,甘粛省,河南省,河北省, 湖北省,湖南省,青海省,新疆ウイグル自治区,寧夏回族自治区,チベット自治区,内蒙古自治区)
住所(領事部):北京市朝陽区亮馬橋東街1号
電話:(市外局番010)-8531-9800 (代表),(市外局番010)-6532-5964(邦人援護)
国外からは(国番号86)-10-8531-9800(代表),(国番号86)-10-6532-5964(邦人援護)
FAX:(市外局番010)-6532-9284
国外からは(国番号86)-10-6532-9284
ホームページ:https://www.cn.emb-japan.go.jp/index_j.htm
○在広州日本国総領事館
(管轄地域:広東省,海南省,福建省,広西チワン族自治区)
住所:広州市環市東路368号花園大厦
電話:(市外局番020)-83343009(代表),(市外局番020)-83343090(領事・査証)
国外からは(国番号86)-20-83343009(代表),(国番号86)-20-83343090(領事・査証)
FAX:(市外局番020)-83338972(代表),(市外局番020)-83883583(領事・査証)
国外からは(国番号86)-20-83338972(代表),(国番号86)-20-83883583(領事・査証)
ホームページ:https://www.guangzhou.cn.emb-japan.go.jp/
○在上海日本国総領事館
(管轄地域:上海市,安徽省,浙江省,江蘇省,江西省)
住所:上海市万山路8号
電話:(市外局番021)-5257-4766
国外からは(国番号86)-21-5257-4766
FAX:(市外局番021)-6278-8988
国外からは(国番号86)-21-6278-8988
ホームページ:https://www.shanghai.cn.emb-japan.go.jp/
○在重慶日本国総領事館
(管轄地域:重慶市,四川省,貴州省,雲南省)
住所:重慶市渝中区鄒容路68号 大都会商廈37階
電話:(市外局番023)-6373-3585
国外からは(国番号86)-23-6373-3585
FAX:(市外局番023)-6373-3589
国外からは(国番号86)-23-6373-3589
ホームページ:https://www.chongqing.cn.emb-japan.go.jp/index_j.htm
○在瀋陽日本国総領事館
(管轄地域:遼寧省(大連市を除く),吉林省,黒龍江省)
住所:瀋陽市和平区十四緯路50号
電話:(市外局番024)-2322-7490
国外からは(国番号86)-24-2322-7490
FAX:(市外局番024)-2322-2394
国外からは(国番号86)-24-2322-2394
ホームページ:https://www.shenyang.cn.emb-japan.go.jp/
○在瀋陽日本国総領事館大連領事事務所
(管轄地域:大連市)
住所:大連市西崗区中山路147号 森茂大廈3F
電話:(市外局番0411)-8370-4077
国外からは(国番号86)-411-8370-4077
FAX:(市外局番0411)-8370-4066
国外からは(国番号86)-411-8370-4066
ホームページ:https://www.dalian.cn.emb-japan.go.jp/jp/index.html
○在青島日本国総領事館
(管轄地域:山東省)
住所:青島市香港中路59号 国際金融中心45F
電話:(市外局番0532)-8090-0001
国外からは(国番号86)-532-8090-0001
FAX:(市外局番0532)-8090-0024
国外からは(国番号86)-532-8090-0024
ホームページ:https://www.qingdao.cn.emb-japan.go.jp/jp/index.html
○在香港日本国総領事館
(管轄地域:香港特別行政区,マカオ特別行政区)
住所:香港中環康楽広場8号 交易広場第一座46楼及47楼
電話:2522-1184
国外・地域外からは(地域番号852)-2522-1184
FAX:2868-0156
国外・地域外からは(地域番号852)-2868-0156
ホームページ:https://www.hk.emb-japan.go.jp/jp/index02.html
(以下外務省発出の中国についての海外安全情報(危険情報))
●新疆ウイグル自治区
:「レベル1:十分注意してください。」(継続)
●チベット自治区
:「レベル1:十分注意してください。」(継続)
☆詳細については,下記の内容をよくお読みください。
1 概況
(1)中国では,外国人が居住している地域や観光スポット等の治安状況は比較的安定しており,一般的な注意をしていれば犯罪に巻き込まれる可能性は少ないといえます。但し,国土が広く,すべての地域で同じように治安が安定しているわけではなく,中国の様々な地域で暴動が発生しているとの報道もあります。滞在・旅行される地域の情報の収集が重要です。
(2)また,一般的な治安は良くても,対日感情が悪化し,邦人や日系企業を狙った抗議行動等が行われる可能性もあるので,日中関係の推移の影響については常に注意が必要です。
(3)中国国内では,新疆ウイグル自治区とチベット自治区について危険情報(「レベル1:十分注意して下さい。」)を発出しています。新疆ウイグル自治区においては,2014年にウルムチ市の駅前や市場において爆発による無差別殺傷事案が発生するなどしています。チベット自治区やその周辺地域ではチベット族が焼身自殺をする等の事案が発生しており,治安情勢において不安定要因も散見されます。このような地域では引き続き注意が必要です。
(4)また,2013年10月に北京市の天安門に車が突入し死傷者が出る事件,2014年3月に雲南省昆明市の駅構内で無差別殺傷事件,2015年9月に広西チワン族自治区柳州市柳州県で爆弾が爆発し複数名が死亡する事件等,新疆ウイグル自治区以外においても民族や宗教に絡む凶悪な事件が発生しました。
(5)邦人が軍事施設の写真撮影や未開放地域への侵入,無許可での測量等で身柄を一時拘束された事案も発生しており,最近,中国当局は,同種事案の取締りを特に強化しています。日本との体制・制度の違いについても,治安への注意と共に,十分に理解することが必要です。
(6)シリアやチュニジアにおいて日本人が殺害されるテロ事件をはじめ,ISIL(イラク・レバントのイスラム国)等のイスラム過激派組織又はこれらの主張に影響を受けている者によるとみられるテロが世界各地で発生していることを踏まえれば,日本人,日本権益がテロを含む様々な事件に巻き込まれる危険があります。このような情勢を十分に認識し,誘拐,脅迫,テロ等の不測の事態に巻き込まれることがないよう,海外安全情報及び報道等により最新の治安・テロ情勢等の関連情報の入手に努め,日頃から危機管理意識を持つとともに,状況に応じて適切で十分な安全対策を講じるよう心がけてください。
2 地域情勢
(1)新疆ウイグル自治区
:「レベル1:十分注意してください。」
ア 新疆ウイグル自治区では,2009年に区都ウルムチ等で発生した暴動により多数の死傷者を出しました。その後も,同自治区のカシュガル地区やホータン地区で無差別殺傷事件等が発生しており,2014年にはウルムチ市の駅前や市場(バザール)付近での無差別殺傷事件で多数の死傷者が出ています。すべての事件が報道されていない可能性もあり,また,今後も不測の事態が発生する可能性は排除できないことから,引き続き注意を払う必要があります。
イ また,同自治区のうち,アフガニスタン及びパキスタンとの国境付近は,両国の情勢の影響により,治安が不安定となる可能性があるため注意が必要です。(アフガニスタン及びパキスタンについては,別途「危険情報」が発出されています。)なお,国境地域では,国境が一時的に閉鎖されたり,崖崩れにより国境付近の道路が通行不能になる等の状況も発生しています。特に中国-パキスタンを結ぶいわゆる中パ道路は,途中で5000メートルの峠を越す山岳ルートであり,治安だけでなく自然環境も厳しい場所ですので,陸路での移動はお勧めできません。
以上の状況から,現在新疆ウイグル自治区については「レベル1:十分注意してください。」が発出されています。不測の事態発生の可能性は依然として排除されません。同自治区に渡航・滞在を予定されている方は,上記情勢に加え,同自治区が在中国日本国大使館のある北京から遠距離にあることから,事件・事故等,不測の事態が発生した場合,邦人援護を目的とした同大使館員の現地入りには時間がかかる点にも留意しつつ,現地情勢に関する情報入手に努めるとともに,渡航・滞在の適否を判断し,また旅行日程等を慎重に検討して,現地では不測の事態に巻き込まれないよう十分注意を払ってください。
(2)チベット自治区
:「レベル1:十分注意してください。」
ア チベット自治区では,2008年に僧侶等によるデモが相次ぎ,デモ参加者の一部が暴徒化するなどして多数の死傷者を出しましたが,現在,同自治区内に特段危険な状況は認められず,概ね平穏な情勢が保たれています。ただし,僧侶の焼身自殺事案が発生しているとされ,当局は一定の警戒態勢を敷いています。
イ また,同自治区では毎年2,3月頃等,厳重な警戒態勢が敷かれる可能性があります。チベット自治区を旅行する場合は,旅行社等を通じ,あらかじめ「入藏証(チベット自治区入境証)」を取得することでチベット自治区政府の許可を得ておく必要がありますが,当局の判断により一時的に外国人旅行客に対する「入藏証(チベット自治区入境証)」の発給が停止され,入境が制限される可能性があるため注意が必要です。
ウ また,チベット自治区は全般的に標高が高く(区都ラサの標高は3,650m,シガツェは3,850m,チベット鉄道全線の平均海抜は約4,500m(最高地点は5,072m)等),高山病にかかりやすいため,旅行の適否,行程の検討及び海外旅行保険への加入も含め事前準備等は入念に行ってください。同自治区は高山・山岳地帯であり,一般的に道路状況は良くありません。2014年8月には観光バスがトラック等と衝突し,崖下に転落して44名が死亡する事故も発生しています。
つきましては,同自治区に渡航・滞在を予定されている方は,上記情勢に加え,同自治区が在中国日本国大使館のある北京から遠距離にあることから,事件・事故等,不測の事態が発生した場合,邦人援護を目的とした同大使館員の現地入りには時間がかかる点にも留意しつつ,現地情勢に関する最新の情報を入手した上で渡航・滞在の適否あるいは旅行日程等を検討して下さい。事前に旅行社に対し「入藏証」の取得が可能かどうか確認すること及び海外旅行保険に加入することも含め,入念な準備を行って,現地では不測の事態に巻き込まれないよう慎重に行動してください。
3 渡航・滞在に当たっての注意事項
(1)中国では,社会体制,文化,習慣等が日本と異なることを常に念頭に置いて人々に接することが肝要です。日本や日中関係を巡って対日感情が悪化する場合には特に注意が必要であり,また,平時においても日本人の言動に過敏に反応される可能性もありますので,滞在中は節度ある態度や行動が望まれます。
(2)国内情勢の推移によっては,各地でデモ等不測の事態(混乱)が生じる可能性も排除できませんので,滞在中は下記の事項に十分留意して行動し,危険を避けるようにしてください。
○外出する際は,行き先の安全を確かめるとともに,行き先では周囲への警戒を怠らない。
○衝突,暴動等に巻き込まれないよう,集会,抗議活動(デモ)等が行われている場所,またその可能性のある場所には近づかない。
○パスポート等身分証明書を携帯し,不審尋問を受けたときに備える。
○家族や知人に行き先,居場所,連絡先を知らせておくとともに,定期的に日本の親族等と連絡を取る。
○身辺に危険を感じた場合には,速やかに安全な場所に避難する。
○万一,トラブルに巻き込まれた場合には,速やかに最寄りの日本国大使館・総領事館に支援を求める。
(3)中国国内には,一部,外国人の立ち入りが制限される未開放区域があります。同区域に入ろうとする場合は,査証取得の段階で立ち入りを申請するか,入国後であれば最寄りの公安局に申請して旅行証明書の発給を受け,該当区域の範囲や宿泊施設の有無等について十分説明を受けた上で入域するようにしてください。
(4)軍事施設等(軍事禁区,軍事管理区)は許可なく立入ることが禁止されています。また,外国人が許可なくGPS機材を用いた測量調査等を行うことは違法であり,外国人が拘束される等の処罰を受ける事例もあります。さらに,政府関連施設,軍事関連施設,一部の博物館・美術館,あるいはデモ等の政治的活動を撮影(写真・ビデオ撮影)することは原則として禁止されていますので,撮影を行おうとする際は,事前に規制の有無を確認するよう留意してください。
(5)中国政府は,麻薬等違法薬物の密輸,販売,運搬,製造,所持,譲渡等に係わる犯罪に対しては,極めて厳格な取締りや検挙が行われ,違反した場合の法定刑は非常に重く,最高刑には死刑が規定されています。「違法薬物とは知らなかった。」等の言い訳は通用しません。絶対に興味を示さないようにすることはもちろん,繁華街の路地裏など犯罪の温床となるような場所には近づかない,あるいは不審なもの(タバコ,高級茶葉と称される例が多い)を購入しないことが肝要です。また,自分では気付かないうちに「運び屋」として利用される可能性もあるので,特に空港等においては,見知らぬ他人からの荷物は絶対に預からないようにしたり,知らない間に手荷物に薬物等を入れられたりしないよう,手荷物の自己管理を徹底することが肝要です。
(6)都市部等において何らかの犯罪被害等に巻き込まれる例があり,旅行の際は,以下の点にも留意しつつ,常に慎重な行動を心がける必要があります。
○繁華街の路地裏等,犯罪が発生しやすいと考えられる危険地帯へは立ち入らない。
○夜間の路上の一人歩きは避ける。
○いわゆる「白タク」は利用しない。
○周囲の雰囲気に溶け込めるような服装を選択する。
○人目を引く振る舞い(人前で大金を見せるような行為,人前で誰かを罵倒するといった行為等)は厳に慎む。
○不要な大金を持ち歩かない。
○言葉巧みに話しかけてくる人物がいても,これに応じない。
また,「安全対策基礎データ」に日本人の犯罪被害例を掲載していますのでご参照下さい。
http://www2.anzen.mofa.go.jp/info/pcsafetymeasure.asp?id=009
(7)毎年,国内各地で大雨等による洪水や土砂崩れの被害が発生し,多くの被災者が出ています。渡航を予定する際には,常に気象関係の情報を入手するようにしてください。
(8)最近,中国では日本人のパスポートの紛失・盗難事案が多発しています。中国では日本大使館や総領事館で新しいパスポートや帰国のための渡航書の発給を受けることに加え,中国公安当局への遺失届や出国査証・滞在査証の取得等の煩雑な手続きが必要となり,1~2週間を要するとともに,この一連の手続が終了するまでの間,帰国や中国国内を移動することも不可能となりますので,絶対に紛失しないようご注意下さい。
(9)地域や季節によって,中国の各地で深刻な大気汚染が発生しています。在中国各公館のホームページに関連情報を掲載していますので参考にしてください。
(10)近年,鳥インフルエンザA(H7N9)のヒト感染例が各地で発生しています。H7N9以外の鳥インフルエンザの人への感染例・死亡例も報告されていますので,感染源とされる生きた鳥を扱う市場や家きん飼育場への立入りは避け,不用意に家畜・鳥に近寄ったり触れたりしない,外出先から帰ったときは手洗いを励行するなど,衛生管理に十分留意してください。最新の流行状況については,海外安全ホームページや在中国各公館のホームページを参考にしてください。
(11)A型・B型肝炎の感染例が比較的多いため,長期滞在する場合は予防接種をお勧めします。また,中国では毎年狂犬病による死者が報告されています。地方での滞在が長くなるような場合は,狂犬病予防接種をお勧めします。また,犬などの動物に咬まれたら,軽視せず,傷口を流水と石けんでよく洗い,最寄りの医療機関を受診してください。(参考)
世界の医療事情(在外公館医務官情報)
https://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/medi/index.html
(12)現地に3か月以上の滞在を予定する方は,旅券法(第16条)により「在留届」の提出が義務づけられます。緊急時の連絡などに必要ですので,到着後は遅滞なく,滞在される場所を管轄する日本国大使館・総領事館に在留届を提出してください。また,住所その他の届出事項に変更が生じたとき又は同滞在地を去る(一時的な旅行を除く)ときも,必ずその旨を届け出るようにしてください。
なお,在留届は,在留届電子届出システム(ORRネット:http://www.ezairyu.mofa.go.jp/ )による登録をお勧めします。また,郵送,FAXによっても行うことができますので,滞在地を管轄する日本国大使館・総領事館まで送付してください。
(13)在留届の提出義務のない3か月未満の短期渡航者の方(海外旅行者・出張者など)を対象に,現地での滞在予定を登録していただけるシステムとして,外務省海外旅行登録(「たびレジ」)を運用しています(https://www.ezairyu.mofa.go.jp/tabireg/ )。登録された方は,滞在先の最新の海外安全情報や緊急事態発生時の連絡メール,また,いざという時の安否照会連絡などの受け取りが可能ですので,ぜひご活用ください。
(問い合わせ窓口)
○外務省領事サービスセンター
住所:東京都千代田区霞が関2-2-1
電話:(外務省代表)03-3580-3311(内線)2902,2903
(外務省関連課室連絡先)
○外務省領事局海外邦人安全課(テロ・誘拐関連を除く)
住所:東京都千代田区霞が関2-2-1
電話:(代表)03-3580-3311(内線)5139
○外務省領事局邦人テロ対策室(テロ・誘拐関連)
電話:(代表)03-3580-3311(内線)3679
○外務省海外安全ホームページ: http://www.anzen.mofa.go.jp
http://m.anzen.mofa.go.jp/mbtop.asp (携帯版)
(現地公館連絡先)
○在中国日本国大使館
(管轄地域:北京市,天津市,陝西省,山西省,甘粛省,河南省,河北省, 湖北省,湖南省,青海省,新疆ウイグル自治区,寧夏回族自治区,チベット自治区,内蒙古自治区)
住所(領事部):北京市朝陽区亮馬橋東街1号
電話:(市外局番010)-8531-9800 (代表),(市外局番010)-6532-5964(邦人援護)
国外からは(国番号86)-10-8531-9800(代表),(国番号86)-10-6532-5964(邦人援護)
FAX:(市外局番010)-6532-9284
国外からは(国番号86)-10-6532-9284
ホームページ:https://www.cn.emb-japan.go.jp/index_j.htm
○在広州日本国総領事館
(管轄地域:広東省,海南省,福建省,広西チワン族自治区)
住所:広州市環市東路368号花園大厦
電話:(市外局番020)-83343009(代表),(市外局番020)-83343090(領事・査証)
国外からは(国番号86)-20-83343009(代表),(国番号86)-20-83343090(領事・査証)
FAX:(市外局番020)-83338972(代表),(市外局番020)-83883583(領事・査証)
国外からは(国番号86)-20-83338972(代表),(国番号86)-20-83883583(領事・査証)
ホームページ:https://www.guangzhou.cn.emb-japan.go.jp/
○在上海日本国総領事館
(管轄地域:上海市,安徽省,浙江省,江蘇省,江西省)
住所:上海市万山路8号
電話:(市外局番021)-5257-4766
国外からは(国番号86)-21-5257-4766
FAX:(市外局番021)-6278-8988
国外からは(国番号86)-21-6278-8988
ホームページ:https://www.shanghai.cn.emb-japan.go.jp/
○在重慶日本国総領事館
(管轄地域:重慶市,四川省,貴州省,雲南省)
住所:重慶市渝中区鄒容路68号 大都会商廈37階
電話:(市外局番023)-6373-3585
国外からは(国番号86)-23-6373-3585
FAX:(市外局番023)-6373-3589
国外からは(国番号86)-23-6373-3589
ホームページ:https://www.chongqing.cn.emb-japan.go.jp/index_j.htm
○在瀋陽日本国総領事館
(管轄地域:遼寧省(大連市を除く),吉林省,黒龍江省)
住所:瀋陽市和平区十四緯路50号
電話:(市外局番024)-2322-7490
国外からは(国番号86)-24-2322-7490
FAX:(市外局番024)-2322-2394
国外からは(国番号86)-24-2322-2394
ホームページ:https://www.shenyang.cn.emb-japan.go.jp/
○在瀋陽日本国総領事館大連領事事務所
(管轄地域:大連市)
住所:大連市西崗区中山路147号 森茂大廈3F
電話:(市外局番0411)-8370-4077
国外からは(国番号86)-411-8370-4077
FAX:(市外局番0411)-8370-4066
国外からは(国番号86)-411-8370-4066
ホームページ:https://www.dalian.cn.emb-japan.go.jp/jp/index.html
○在青島日本国総領事館
(管轄地域:山東省)
住所:青島市香港中路59号 国際金融中心45F
電話:(市外局番0532)-8090-0001
国外からは(国番号86)-532-8090-0001
FAX:(市外局番0532)-8090-0024
国外からは(国番号86)-532-8090-0024
ホームページ:https://www.qingdao.cn.emb-japan.go.jp/jp/index.html
○在香港日本国総領事館
(管轄地域:香港特別行政区,マカオ特別行政区)
住所:香港中環康楽広場8号 交易広場第一座46楼及47楼
電話:2522-1184
国外・地域外からは(地域番号852)-2522-1184
FAX:2868-0156
国外・地域外からは(地域番号852)-2868-0156
ホームページ:https://www.hk.emb-japan.go.jp/jp/index02.html