斎藤総領事の歴史探訪の旅(日照、臨沂)

令和6年10月15日
 国慶節休暇中、斎藤総領事は山東省の歴史に触れるため、日照市及び臨沂市を旅行しました。
 日照市の莒州博物館(莒県)には古代、斉文化、魯文化と並び「山東省三大文化」の一つとされる莒文化の貴重な遺物類が展示されています。中でも1960年に発見された約5千年前の土器は、表面に彫られた模様が甲骨文より1500年古いことから、中国文字の原型と考えられています。これまで20種類が確認されていますが、今後の新たな発見がとても楽しみです。
 同じ莒県の浮来山・定林寺という古刹には、寿命4000年といわれる銀杏の木があります。「世界最古の銀杏の木」としてギネスに登録されているそうです。日本にも神霊が宿るとされる「神木」が各地にありますが、ここも同様に周囲に神聖な空気が感じられました。落雷被害にも負けず成長を続けるその力強い生命力には思わず感動せざるを得ません。
 臨沂市の沂南県は、日本人にも人気のある諸葛亮の出身地です。臥龍山の麓にある諸葛亮公園はとても空気が良く、彼の短くも波乱に富んだ人生(54歳で永眠)に思いを致すのに相応しい場所です。この公園が彼の故里記念館がある磚埠鎮から車で30分と離れた場所にあるのも不思議ですが、いずれも記念品を扱う店が全くないのは諸葛亮ファンにとって大変残念です。
 沂南県にはまた、考古学ファン必見の場所として北寨村の漢墓博物館があります。この地には漢時代の石墓群があり、1954年にほぼ完全な形で発掘され数々の絵が描かれている石墓は、現在博物館として公開され、その様子を間近で見ることができます(日本ではあり得ない!)。高貴な人物が葬られていたはずですが、その正体がまだ謎というのも想像力をかき立てられます。
 山東省には、まだ広く観光地化されていない歴史の名所が多くあるようです。これからも歴史のロマン(とおいしい地元料理)を求め、斎藤総領事の足跡は各地に広がりそうです。