横浜ゴム委託工場の訪問

　11月17日 、東営市に出張中の斎藤総領事は、「横浜ゴム」の生産委託先である「山東興達輪胎有限公司」(以下、興達) を訪問しました 。
　「横浜ゴム」は、1917年創立の日本を代表する老舗のゴム用品メーカーです。YOKOHAMAブランドとして知られるタイヤの業界では、国内3位の規模(販売額ベース)を誇ります。今年7月には米国大手タイヤメーカー (GOOD YEAR)の鉱山・建設用車両向けタイヤ事業を買収したことが話題となりました。
　他方、HILOブランドのタイヤで知られる「興達」は、2005年に東営市初の大型タイヤメーカーとして設立されました。「横浜ゴム」は2012年、同社との間で、技術供与と生産委託を盛り込んだ戦略的協力関係を締結しました。東営市/広饒工場で製造される大型タイヤは、日本だけでなく北米、オーストラリア、欧州などにも輸出され、建設鉱山などの現場で活躍しています。
　勝利油田を擁する東営市は、石油精製業を特色とする生産モデルの下で、資源を十分に利用するより多くの経済産業を構築してきました。その一つがタイヤ業界です。勝利油田への油圧ホースとゴムリングの生産からスタートし、市政府の支援で1990年代から製造業界が育成され、タイヤ技術の開発・改善が革新的に進み、全世界へサプライチェーンを持つタイヤ産業を形成するほどになりました。今では中国タイヤ市場の3割、世界市場の12%(試算ベース)を占めるまでに成長しています。特に「興達」が位置する広饒県にはタイヤ工場が多く集中しています。
　大型のタイヤは、加熱成形するプロセスだけでも10時間を要し、一本を完成させるのに2～3日を要するそうで、火を絶やさないよう工場は24時間フル稼働しています。大型車両を支えるタイヤを造るのには大変な時間と手間がかかっているのですね。
　タイヤの性能は、最初のゴムを練る技術が重要で、「横浜ゴム」はその技術に絶対的な強みを持っています。新品タイヤに刻まれた「YOKOHAMA」の文字。誇らしげに光り輝いて見えたのは、単なる気のせいでしょうか。