諸城市の生姜工場の視察

令和6年12月25日
 12月18日、斎藤総領事は潍坊市外事弁公室の手配により、諸城市で日本向けに生姜の加工・輸出を行っている代表的な中国企業2社(諸城中康農業開発有限公司、諸城元康食品有限公司)を視察しました。
 日本では生姜の供給量の約6割を輸入に頼り、その97%が中国からと言われています。中国における生姜の主な産地は山東省、遼寧省、河北省、河南省、雲南省、広西チワン族自治区で、山東省は作付面積で全国の約3分の1を占め、ここでも農業大省ぶりを発揮しています。
 「中康」は1993年に設立され、諸城における「日本への農産品輸出発祥の地」と言われています。生姜を主力とする各種野菜加工品は95%が輸出向けで、そのうち6割を日本が占めています。特に生姜加工製品の日本への出荷量(年間約6000トン)は国内トップ水準にあります。
 「元康」も2003年の設立以来、産品の90%~95%が輸出向けで、2020年には山東省で初の「農産品輸出モデル企業」に表彰されています。同社も生姜の占める割合が全体の3分の2と大きく、ニンニクと生姜を合わせると輸出総量の4分の1(年間約7000トン)が日本向けです。
 日本の牛丼チェーンや回転寿司チェーンで提供される紅生姜やガリの多くは、このように山東省の地場企業で加工製造されたものです。これだけ日本のファーストフード界への貢献度が高い山東省の生姜ですが、実はあるデータによると省内産の9割は国内市場向けとのこと。残り1割の輸出先も日本の他に日本料理ブームを受け米国、カナダ、豪州など多彩です。いったい山東省内だけでも全体でどれだけの生姜が生産されているのか。そのスケール感にはただただ驚くばかりです。