NITTANの日照工場の訪問
12月19日、斎藤総領事は日照市にあるNITTANの工場 (中文: 日照日鍛汽車部件有限公司、以下「日鍛」) を訪問しました。NITTANは自動車用エンジンバルブの分野で日本国内トップシェアを誇る自動車部品の製造会社です。
現在日照市には、2018年に米国EATON社との合弁である「日鍛」が小型エンジンバルブを製造しているほか、韓国系との合弁2社 (日照柳成新和汽車部件、日照艾斯琵琶汽車部件)がエンジンバルブの上部の接続部分 (バルブリフター)の製造する分業体制を確立しています。
ここでの製品は、僅か長さ12cm、直径5. 5mmと小さなものですが、一台の車に8個が使われ、エンジン機能に重要な役割を果たしています。NITTANは、エンジン連結部の温度を下げるため、この細いバルブの中に空洞を作りナトリウムを注入するという特殊技術に長けています。
当初は全て、中国にある日系自動車メーカー向けの供給でしたが、近年の国内自動車業界をめぐる環境の変化に伴い、今では韓国系自動車メーカー向けを含む輸出が4割まで伸びているそうです。電気自動車の普及により、エンジン関連を専門としてきた企業群は一様に過渡期を迎えています。他方、電気自動車はまだバッテリーに技術的課題が残っていることもあり、実は中国市場ではハイブリッド車の需要も徐々に伸びています。必ずしもエンジン技術の需要が減っているわけではありません。
それでもNITTANでは、脱炭素化に向け新しい可能性への挑戦が始まっています。高い技術力を誇るNITTANが、今後どのような分野にその優位性を発揮してくれるのか、非常に楽しみです。