斎藤総領事新年挨拶

令和7年2月6日
斎藤総領事新年挨拶
 新暦・旧暦と続いた新年挨拶の時期も終わり、いよいよ2025年の本格スタートとなりました。あらためまして、昨年を通じ皆様から賜ったご厚情に感謝するとともに、本年もよろしくお願い申し上げます。
 昨年の中国国内での日中関係を振り返ると、夏に日本人学校関係の悲しい事案が発生してしまったのは残念ですが、首脳会談や外相会談で「戦略的互恵関係の推進」という両国間の大きな方向性がしっかりと再確認され、またその成果を友好機運の高まりという形で山東省でも感じることができ、実りある一年でした。
 近年の情報技術の発展は、私たちに様々な便利さをもたらした一方、真偽が曖昧でマイナス面が誇張されがちな情報により先入観が形成されやすくなるというリスクも高まっています。中国国内で生活している私たちから見ると、日本人と中国人の双方に対する見方がともに偏向しているなと感じることが多く、本来ならば隣国同士として享受できるはずの相互利益に大きく負の影響を与えているように感じます。
 このような時代だからこそ、直接相手の国を訪れ、人々と交流し、その実情を理解した上で相互理解を深めようという姿勢が、以前にも増して重要となっています。昨年末には日本人に対する短期訪問ビザ免除が再開されました。また今年は大阪・関西万博も開催されます。これらを機に、今年は相互往来が更に活性化することを通じて、日中間の互恵関係がより推進されることを期待しています。当館としては、山東省がこれら交流のモデル的な舞台としてより大きな役割を果たせるよう、皆様とともに尽力していく考えです。



2025年2月
在青島日本国総領事 
斎藤 憲二