「世界のニンニク都」の訪問

　2月 21日 、済寧市を訪問中の斎藤総領事は、市の南西部にある金郷県にニンニク関連施設を訪問しました。
　日本の輸入ニンニクの9割以上が中国産で、そのうち7割が山東省産と言われています。中でも金郷県一帯はその過半を占め圧倒的なシェアを誇っています。さすがは「世界のニンニクの都」、「世界でニンニクと言えば中国、中国でニンニクと言えば金郷 」と呼ばれるだけのことはあります。
　凱盛デジタル農業発展センターでは、同県におけるニンニク産業の特徴や加工品サンプルが紹介されています。この一帯は土壌、灌溉水質、日照時間などの自然環境がニンニク栽培に適しており、大粒で栄養価の高いニンニクが栽培でき、その歴史は三国志の時代まで遡ることができるそうです。
　加工品の種類は、発酵させた黒ニンニクを使った各種製品のほかに麺、栄養ドリンク、油、サプリ、ビール、白酒など実に多彩です。視察後の昼食会では、地元ニンニクを使った料理が所狭しと並び、「もうしばらくはニンニクを見たくない!」と叫びたくなるほど大量に食べることになりました。
　ニンニクに限らず日本の店頭に並ぶ中国産の食材は、価格が極めて安いため、とかく「人件費が安いから」「農薬を多く使っているから」といった憶測がなされがちです。これらには生産量の圧倒的な差や、近年の農業技術力、食の安全への意識向上など、最近の中国の実情を知れば納得できる誤解も多いように思われます。農業大省である山東省は、その証拠を豊富に提供できる場所として存在価値が高いと 感じています。当館としてもその一助として、引き続き情報発信に努めていく考えです。