技能実習生関連企業の視察

令和7年4月1日
日本と地理的に近い威海市は、日本への技能実習生の派遣実績が多いことで知られています。市内には日本 や 韓国などへの人材派遣に関連する企業が34社あり、うち最も歴史の長いのが1997年創設の威海方正国際合作有限公司です。同社は日本との貿易業務も行っています。3月25日、斎藤総領事は威海招商投資企業協会のアレンジ により、同社の傘下にある威海方正外国語学校を訪問しました。
同校の在校生は約1400人で、日本語、韓国語、福祉介護など12の専門 コースを有しています。一般の留学予定者とともに技能実習生向けにも語学教育が行われており、日本にはこれまでの累計で約6600人の派遣実績を有しています。コロナの影響を大きく受け、現在の日本向け実習生は以前の半数で約200人とのことです。
募集範囲は山東省、河北省、河南省で、山東省内では泰安、済寧、臨沂、日照の出身者が多いようです。一般の留学予定者がほぼ全て威海出身であるのと比べ特徴的です。職種は機械加工や食品加工が主流で、コロナ後は他のアジア諸国からの研修生受け入れも増えていますが、全般的に中国人の勤勉さと技術力は高く評価されており、依然として技能研修生制度は日中間の経済交流において主要な構成要素となっています。
対象年齢は18歳から35歳(農業関連は45歳)までと一般の留学予定者に比べ高く、また日本語能力は必ずしも資格要件となっていないそうですが、留学を目指す若者に混じり日本語を勉強する実習生の姿は真剣そのものです。心の中で「頑張れ!」とエールを送りつつ、山東省ならではの日本との密接な関係性にあらためて思いを強くすることができました。