威海市落花生加工場の訪問

令和7年4月9日
 3月26日、威海市に出張中の斎藤総領事は、三井物産の業務提携会社で日本輸出用に落花生の加工を行っている威海盛泰園食品有限公司を訪問しました。
 中国の落花生は、清の時代にアメリカ人宣教師が山東半島に種を持ち込んだのが発端との説があり、今では山東省が中国最大の産地となっています。中でも山東半島一帯は土地と気候が栽培に最も適しており、大粒で光沢があり脂肪分を多く含む良質な落花生の産地として日本の業界関係者の間でも高く評価されています。
 盛泰園食品は1980年代から落花生の日本輸出業務に携わってきました。1992年からは三井物産を介して、最高品種である「山東伝統大花生」ブランドの原料落花生(むき身状態のもの)を日本の有名豆菓子会社に輸出しています。そしてその豆菓子会社で加工された各種商品が、日本中の主要コンビニやスーパーの店頭に並んでいます。
 工場関係者によると、日本で使用される輸入落花生の95%は山東半島産で、また日本市場のバターピーナツ商品に使われる原料は約3割が盛泰園食品製に依存しているそうです!日本向けの原料落花生は選別基準が非常に厳しく、工場内には表面の傷だけでなく内部のカビまで自動選別できる最新のAI機器まで導入されていました。
 日本と中国との間では毎年、両国の落花生協会が交互に交流会を開催し、落花生の安全性などに関し情報交換を行っており、とても密接な相互依存関係が構築されているそうです。青島には「ビールにはアサリ」という言い方がありますが、日本人にとっては「ビールには落花生」が定番です(もちろんアサリとの組み合わせも大人気ですが...)。こんな身近な食品でも山東省の存在感がこれほど大きいとは、まさに驚くばかりです!