即墨老酒博物館の訪問

令和7年5月22日
 5月20日、斎藤総領事は青島市即墨区にある即墨老酒博物館を訪問しました。即墨区は春秋戦国時代、斉国の武将・田単が松明をつけた牛の大群を操って燕軍を追い払い、圧倒的な劣勢を覆した逸話 (中文: 火牛陣) で知られています。古文書にはその時、地元民が老酒で祝勝したとの記載が残っており、即墨老酒の歴史が相当長いことを示しています。
 博物館では即墨老酒の歴史、関連の用具、醸造方法、栄養素などに関する解説のほか、地下の酒蔵(1949年以来の老酒を保存)なども見学することができます。即墨老酒はその防寒効果が評価され、1986年の南極調査隊に飲料として提供されたことから、記念に贈呈されたという南極の石も展示されています。即墨老酒は他にも、ビールの10倍の含有量があるというアミノ酸をはじめ栄養素が豊富で、滋養強壮、心臓の機能維持や産後の肥立ちなどにも効能があるそうです。
 日本の中華レストランでは紹興酒が定番ですが、日本からの来訪者には同じ黄酒の仲間で味も似ている即墨老酒にも人気があります。現在、即墨老酒の生産拠点は18か所ありますが、小規模経営が多く、市場範囲は山東省及び周辺に限られているそうです。それでも一部は日本の中華食材店に輸出されているとのこと。今後徐々に日本でも即墨老酒のブランド力が高まり、ビール以外にも青島には名酒があると広く知られる日が来ることを期待したいと思います。