サンデンの訪問 (日本)

　6月4日、一時帰国中の斎藤総領事は、群馬県にあるハイセンスグループのサンデン株式会社を訪問しました。総領事の出身地が群馬県ということもあり、以前総領事が賈少謙・ハイセンス集団董事長を表敬した際 、一時帰国時に訪問したい旨要望していました。
　サンデンは自動車空調用コンプレッサーのメーカーとして、世界的に名が知られています。1943年に自転車用の発電ランプを製造する会社として創業し、その後自動販売機や冷凍冷蔵機器へと業務の幅を広げました。そして1970年にアメリカの会社とエアコン用コンプレッサーの技術提携を結び自動車市場に参入したことが、同社にとり方向性を大きく転換するきっかけとなりました。いち早く海外展開に注目したことも効を奏し、今ではグローバル22か国46拠点で事業展開をしています。その海外市場におけるシェアは世界2位を占めるに至っており、中国国内のシェアはトップを誇ります。
　東京から約100キロ離れている群馬県では、海外企業や外国人とのビジネス交流の機会は決して多いとは言えません。お話を伺うと、2021年にハイセンスグループに入った後、最初の一年間はサンデン幹部とハイセンス出向者との間で様々な意見の対立や異文化の違いから衝突もみられたそうです。それでも「良い製品を作りたい」という共通した強い思いや相手の立場を理解しようとする相互の努力が助けとなり、これらの溝は徐々に埋まり、現在ではお互いが信頼し合い業務を行っているとのことです。
　日本の一地方都市を舞台とした日中ビジネス最前線の経験は、今後、両国のビジネス展開において協力関係のあり方や可能性を考える上で多くの有益なヒントを提供しているように思います。ハイセンスとの間で育んできた信頼関係の下でサンデンの事業が益々発展することを通じ、日中ビジネス全体にも良い影響を与えることを期待しています。