中車四方の訪問

令和7年8月15日
 8月11日、斎藤総領事は中車四方(正式名称: 中車青島四方機車車両股份公司) を訪問しました。中国では稀な100年企業(1900年創業)である同社は、中国を代表する鉄道車両の製造会社で、通常の列車以外にも地下鉄やモノレールなど様々な車両を扱っており、特に高速鉄道車両の分野では中国市場の4割以上を占める筆頭格です。
 2024年現在、中国の鉄道網は延べ16.2万キロに至り、そのうち高速鉄道は 4. 8万キロで世界全体の70%以上を占めると言われています。鉄道網の発展は、人流や物流の発展を加速化し、中国の経済発展・技術向上に大きく貢献してきました。世界初となる高速鉄道の本格導入は、1964年の日本の新幹線でした。中国は1990年代後半からのスタートですが、僅か四半世紀の間に世界最高峰の技術と安全性を達成しているのは驚くばかりです。
 会見した馬利軍・董事長によると、中車四方は当初から日本との関係が深く、今でも複数の日本企業と良好な協力関係が続いており、今後とも更に発展させていきたいとの意向でした。斎藤総領事からは、中車四方の発展に多くの日本企業が関与してきたことを嬉しく思うとともに、このような協力関係が日中経済交流の新たな突破口になることを期待すると述べました。
 中車四方の車両は、既に10%ほどが海外にも輸出されているほか、カーボン材質、水素エネルギー、時速 600キロ のリニアなどの新分野にも積極的な取り組みが始まっています。中車四方の挑戦が日本企業にも新たな恩恵と可能性をもたらし、日中経済におけるウィンウィン関係の良き事例となってくれることを期待しています。