日本フルハーフの煙台拠点の訪問

令和7年9月4日
 8月28日、煙台市(龍口市)に出張中の斎藤総領事は、日本フルハーフの現地工場(中文: 山东丛林福禄好富汽车有限公司、以下CLFH) を訪問しました。
 日本フルハーフはもともと、トレーラを世界で初めて開発した米国フルハーフ社の技術を導入して1963年に設立された会社で、今ではトラックの箱型ボディの生産で日本国内のトップシェアを誇ります。側面が全開閉できるタイプを「ウィングボディ」と呼びますが、これを世界で初めて開発したのは日本フルハーフです。
 CLFH煙台工場は、龍口市をもともとの地盤とする丛林集団のアルミ部門との合弁で2011年に設立され、主にアルミ製の軽量化トレーラを製造し、製品の約8割を中国市場に販売しています。山東省は昔からトレーラ生産が盛んである上に、アルミの産地でもあることから、原材料の調達にも適した環境にあります。
 トレーラの軽量化により、従来の鉄鋼製と比べ重量が3割以上、燃料代は2割ほど節約できるとのこと。トレーラのコンテナを支える骨格 (シャシー)の部分まで全てアルミ製と聞き、大変驚きました。
 近年は宅配業界が急成長しています。コロナ期がピークかと思われていたのに、公開資料で宅配貨物数の推移を見ると、2024年は2020年の倍以上、2014年比ではなんと10倍以上の伸びを示しています。CLFH製品は現在、中国大手宅配業者が保有するアルミトレーラの約4割のシェアを占めているそうなので、自ずと好調ぶりが想像できます。
 煙台市の中心部から車で1時間以上離れている龍口市には、他に日系企業が見当たらず、駐在する日本人スタッフは孤軍奮闘の感があります。それでも良き中方パートナーや工員に恵まれ、着実に業績を上げている様子には、頭の下がる思いがするとともに、山東省における日中経済交流の無限の可能性を感じさせてくれます。今後もCLFHロゴを付けたより多くの宅配トラックが、広大な中国各地をかけめぐり、人々に笑顔と幸せを届ける姿を期待したいと思います!