荏原冷熱系統 (中国)有限公司の訪問

令和7年9月4日
 8月28日、斎藤総領事は荏原製作所のグループ企業の一つで煙台市を拠点とする荏原冷熱系統(中国)有限公司を訪問しました。
 荏原製作所はもともとポンプの製造メーカーとして有名な「100年企業」ですが、現在は建築・産業、エネルギー、環境 、精密・電子、インフラの5分野にわたる事業を幅広く展開しています。中国には13か所、うち山東省には5か所の製造拠点を有しています。
 今回訪問した荏原冷熱系統(中国)有限公司は1996年に設立され、2014年に増設した新工場を含め現在、煙台市内に2か所の工場を持ち、中央空調製品、冷却塔製品と冷熱システム統合製品を製造しています。今回訪問した本社工場では、石油化工などの産業企業向けに、工場内で発生する蒸気、温水などの余熱を再利用して、駆動源として冷温水を取出し、工業媒質を冷却 (または温化)するための「吸収式」と呼ばれる冷熱源設備を製造しています。このタイプでは中国市場で業界トップのシェア(約3割)を誇っています。
 中国国内では、数年続いた発電所ヒートポンプ改造ラッシュが2013年にピークを迎えたものの、コロナ後も含め関連業界の需要は安定して保たれているようです。これまで山東省に点在する荏原製作所の各生産拠点を訪問してきましたが、いずれでも創業精神である「熱と誠」が根付き、中国社会に貢献しようとする積極的な姿勢と雰囲気が感じられました。今後も煙台発の荏原精神が、工場のみならずショッピングモールや公共施設など多くの生活場面で発芽することを期待しています。