タカキタの日照工場の訪問
令和7年9月8日
9月1日 、斎藤総領事は日照市にあるタカキタの現地合弁工場(中文: 山東五征高北農牧機械有限公司。以下 「五征高北」) を訪問しました。タカキタは1912年に創設の「100年企業」で、飼料作りのための農業機械の製造で有名です。
従来、飼料用に刈り取った草類は、そのまま乾燥した状態で保管し、牛に食べさせるという方法が一般的でした。タカキタは、飼料用トウモロコシをまるごと収穫し、細かく切断し、ロール状にラップするまでの3ステップを一気にできる機械を日本で初めて開発した企業の一つで、その日本国内シェアはトップを誇ります。
2016年に山東五征集団との合弁で設立された「五征高北」は、タカキタにとり唯一の海外拠点です。本社の技術を導入して製造した飼料用農業機械を、甘粛や内モンゴルをはじめとする国内の畜産、酪農市場に供給しています。上記の3ステップを1台でカバーできる機械を生産しているのは、中国で「五征高北」のみです。
最終段階でラップをすることで、飼料の発酵度を高めることができます。当然それを食べる牛の健康状態、ひいては経済効果にも顕著な差が生じることになります。「五征高北」が山東省内で伝統的飼料との比較実験を行ったところ、同量の飼料を与えても、牛1頭あたり1日平均で体重が16%増となり成長日数にほぼ1か月の差が生じ、それに伴い飼料代も1頭あたり約600元の節約になることが判明しました。
農業の現代化が進む中、これほど有効的な農業機械はないと思うのですが、実際には諸事情により近年、畜産、酪農業界は全体として経済成長の恩恵を十分に享受できていない状況のようです。いかんせん農機は単価が高いので、農家が個人で購入するのは容易でなく、経営団体にしても政府補助金に頼らざるを得ないという事情も関係がありそうです。
中国でビジネスを展開する日本企業にとっては、顧客に対し如何に「短期的な安さではなく中長期的観点からのメリット」を理解してもらえるかが共通する課題です。特に農村部では一段の苦労が想像されますが、費用対効果の概念は農村部であれ着実に浸透しつつあり、「五征高北」製にも前途は有望であると信じています。畜産、酪農業界の発展を通じた中国に暮らす私たちの健康向上のためにも、同社の今後の更なる健闘を応援したいと思います。
従来、飼料用に刈り取った草類は、そのまま乾燥した状態で保管し、牛に食べさせるという方法が一般的でした。タカキタは、飼料用トウモロコシをまるごと収穫し、細かく切断し、ロール状にラップするまでの3ステップを一気にできる機械を日本で初めて開発した企業の一つで、その日本国内シェアはトップを誇ります。
2016年に山東五征集団との合弁で設立された「五征高北」は、タカキタにとり唯一の海外拠点です。本社の技術を導入して製造した飼料用農業機械を、甘粛や内モンゴルをはじめとする国内の畜産、酪農市場に供給しています。上記の3ステップを1台でカバーできる機械を生産しているのは、中国で「五征高北」のみです。
最終段階でラップをすることで、飼料の発酵度を高めることができます。当然それを食べる牛の健康状態、ひいては経済効果にも顕著な差が生じることになります。「五征高北」が山東省内で伝統的飼料との比較実験を行ったところ、同量の飼料を与えても、牛1頭あたり1日平均で体重が16%増となり成長日数にほぼ1か月の差が生じ、それに伴い飼料代も1頭あたり約600元の節約になることが判明しました。
農業の現代化が進む中、これほど有効的な農業機械はないと思うのですが、実際には諸事情により近年、畜産、酪農業界は全体として経済成長の恩恵を十分に享受できていない状況のようです。いかんせん農機は単価が高いので、農家が個人で購入するのは容易でなく、経営団体にしても政府補助金に頼らざるを得ないという事情も関係がありそうです。
中国でビジネスを展開する日本企業にとっては、顧客に対し如何に「短期的な安さではなく中長期的観点からのメリット」を理解してもらえるかが共通する課題です。特に農村部では一段の苦労が想像されますが、費用対効果の概念は農村部であれ着実に浸透しつつあり、「五征高北」製にも前途は有望であると信じています。畜産、酪農業界の発展を通じた中国に暮らす私たちの健康向上のためにも、同社の今後の更なる健闘を応援したいと思います。
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