クボタ製作所の青島工場の訪問
令和7年11月25日
11月20日、斎藤総領事はクボタ制作所の青島工場 (中文: 青島久保田電子工業有限公司) を訪問しました。日本企業の「クボタ」と聞くと、日本国内トップシェアの農機具メーカーを思い出す人も多いかと思いますが、こちらの「クボタ」はワイヤーハーネス(複数の電線を束ねコネクタや端子を取りつけたもの)の製造を行っている山口県の企業です。
同社にとり唯一の海外拠点である青島工場は、2005年に設立されました。当初は日本で縮小した工場機能を代替することを目的としていたため、製品は全て日本に輸出されていました。その後、中国でも溶接ロボット用ワイヤーハーネスの需要が高まり、今では中国市場向けの割合が約半分に達しているそうです。
青島工場の製品は、外見こそシンプルなワイヤーハーネスですが、話を伺うと、やはり技術面 (不良品率の低さ)で多くの地場企業とは明らかな差があるそうです。原材料の善し悪しに加え、例えばワイヤーと端子の圧着部分にしても、目視できない部分を如何にしっかり検査できるかで、これを使う完成製品の性能や安定性に大きな影響が生じます。実際、圧着のノウハウ、検査の甘さが原因で接触不良や火事などが起きた例もあるとのこと。機械化でも100%の解決ができない世界を、クボタは独自の技術力で乗り越えています。また同社は、不毛な価格競争に巻き込まれないよう、一定の利益率を下回る場合は大手からの依頼であっても受注しない方針としているそうです。
日本の一地方都市の中小企業が、投資環境の変化スピードの早い中国で、20年も事業を続けることは容易ではないと思います。青島出身という総経理にコツをお聞ききすると、上記に加え、当初から良質の顧客に恵まれていたこと、価格競争から距離を置くこと、多角化経営でリスク分散すること、などの返事がありました。日本の地方都市にも高い技術力を誇る中小企業はたくさんあります。「クボタ」の過去20年間の経験には、そのような企業に参考となる多くのヒントが潜んでいるような気がします。
同社にとり唯一の海外拠点である青島工場は、2005年に設立されました。当初は日本で縮小した工場機能を代替することを目的としていたため、製品は全て日本に輸出されていました。その後、中国でも溶接ロボット用ワイヤーハーネスの需要が高まり、今では中国市場向けの割合が約半分に達しているそうです。
青島工場の製品は、外見こそシンプルなワイヤーハーネスですが、話を伺うと、やはり技術面 (不良品率の低さ)で多くの地場企業とは明らかな差があるそうです。原材料の善し悪しに加え、例えばワイヤーと端子の圧着部分にしても、目視できない部分を如何にしっかり検査できるかで、これを使う完成製品の性能や安定性に大きな影響が生じます。実際、圧着のノウハウ、検査の甘さが原因で接触不良や火事などが起きた例もあるとのこと。機械化でも100%の解決ができない世界を、クボタは独自の技術力で乗り越えています。また同社は、不毛な価格競争に巻き込まれないよう、一定の利益率を下回る場合は大手からの依頼であっても受注しない方針としているそうです。
日本の一地方都市の中小企業が、投資環境の変化スピードの早い中国で、20年も事業を続けることは容易ではないと思います。青島出身という総経理にコツをお聞ききすると、上記に加え、当初から良質の顧客に恵まれていたこと、価格競争から距離を置くこと、多角化経営でリスク分散すること、などの返事がありました。日本の地方都市にも高い技術力を誇る中小企業はたくさんあります。「クボタ」の過去20年間の経験には、そのような企業に参考となる多くのヒントが潜んでいるような気がします。
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