大晃機械工業の青島工場の訪問

令和7年11月26日
 11月21日、斎藤総領事は大晃機械工業の青島工場(中文: 大晃機械(青島)有限公司)を訪問しました。大晃機械工業本社は1956年の創業で、船舶用を中心とする遠心・油ポンプ(液体移送機器)と真空ポンプ・ブロア(気体移送機器)の総合ポンプメーカーで、山口県に本社を置く企業です。中でも、船舶向け中型ポンプの業界では日本を代表する企業の一つとして知られています。
 2005年に開設された青島工場は、同社と共に中国に有する6拠点(うち4か所が山東省内) の一つです。当初は日本の本社向けに部品を生産提供する機能を果たしていましたが、日本本社の業務量の拡大と積み上げた実績を受け、2016年頃から青島工場独自で中国市場や第三国向けにも対象を拡大するようになり、今ではその割合は生産量の約3割を占めています。製品の供給先は主に造船所向けの装置メーカーで、近年の造船業界の活況を受け、同社の業績も順調に伸びているとのことです。
 工場内生産体制の一部である鋳造工程では、予想以上に人の手による作業が多く見受けられました。関係者によると、多様な二ーズに応えるには機械化よりもむしろ効率的とのことです。大晃ブランドの特徴は、その防錆性、耐久性、低騒音性、低摩擦性、漏れゼロなど高い信頼にありますが、これら高品質・高性能を生むには、何でもかんでも機械化すれば良いというわけではないことを知る良い機会となりました。 
 近年は造船業界にも新エネ・新材料化の波が押し寄せており、大晃機械工業でもそのための研究開発が着々と進んでいるそうです。同社が山東省に初めて工場を開設したのは済南 (章丘)で1995年のこと。以後30年にわたり当地で成長を続けてきた同社の技術力は、これからの更なる挑戦で必ずや適切なソリューションを各分野で提供してくれるものと信じています。