徳州工程職業学院の訪問

令和7年12月3日
 11月 12日、徳州市に出張中の斎藤総領事は、徳州工程職業学院を訪問しました。徳州市は2012年以来、山東省政府の支援の下に職業教育の実験エリアとなっており、市内には約50の職業訓練学校や専門コースが存在しています。その中で、1986年にオートバイ修理職業学校として創設され、昨年現在の校名に変更された同学院は、市内の職業訓練学校のうち最大規模の一つであるとともに、日本との協力関係が進んでいることでも知られています。         
 まず2007年には、中国教育部とトヨタTEAM21(注: トヨタがグローバルに展開している自動車整備技術の教育カリキュラム)が合意した全国4か所の協力モデル校の一つに指定されました。これまで約1000人の卒業生が日本や中国のトヨタ系企業で活躍しているほか、トヨタからの講師派遣などの支援が続いています。また2020年には、麻生塾グループ(注: 麻生塾の主導により日本国内8か所の専門学校グループがネットワークを設立。アジア各国からの留学・就労を支援) とも協力調印がなされ、複数の分野につき日本への留学や就職への道が開かれました。更には介護分野の協力拡大を念頭に、東京福祉大学とも関係が構築されています。
 日本では労働人口の減少を補うため、 民間ベースでの海外人材の受け入れが活発化しています。中国の技術力や所得水準の向上に伴い、「日本」というキーワードの重みは以前ほど高くないにせよ、地方部を中心に依然として日本と中国との職業教育分野での協力可能性は高いものがあります。当館としては、この分野における同学院及び徳州と日本との今後の交流発展を見守り支援していきたいと思います。