日本向け特殊コンテナ製造会社の訪問

令和7年12月11日
  12月8日、斎藤総領事は各種のコンテナを製造している青島雷悦重工股份有限公司を訪問しました。
 もともと2004年に物流会社として創業した雷悦ですが、知人から「日本では特殊コンテナの需要が大きい」と聞くと、2013年に現在の会社名に変更の上、日本向けに特殊コンテナの製造を始めました。その後販路を国内外に拡大し、今では年間10万台の生産能力をもち2000種に及ぶ各種コンテナを製造するに至っています。そのうち貨物用コンテナの8割、特殊コンテナの6割が輸出向けで、特に特殊コンテナについてはほぼ全てが日本向けとのことです。
 特殊コンテナの使途は倉庫、ホテル、発電・蓄電、水処理など多岐にわたりますが、同社の日本向け製品は倉庫とホテル (移動用シャーシー付) が主流とのことです。前者は年間約2000台、後者は約200台が出荷されており、青島の同業界では最大規模を誇ります。工場全体がJIS(日本工業規格)認証を受けており、海外唯一となる子会社を東京に構えています。
 地震や洪水など自然災害に見舞われる機会が多い日本では、いざという時に避難先として兼用できるコンテナホテルは、まだ十分普及しているとは言えないものの、自治体の関心は高まりつつあります。工場で完成版のコンテナホテルを見学しましたが、一般の20フィートのコンテナ内にベッドやバスルーム(しかもトイレはウォッシュレット付)、エアコン口や コンセントが完備され、想像以上に広く快適に感じられました。
 国土の狭い日本では、コンテナの汎用性は益々広がる予感がします。先日寿光市(潍坊市)で視察したコンテナ栽培も、深刻化する気候変動を考えると有効な手段の一つと言えそうです。今後 も数々のアイデアから、私たちの生活を豊かにするコンテナ活用の方法が生まれることを期待しています。