火把李廟会の見学 (濱州市)

令和8年3月30日
 3月20日、濱州市に出張中の斎藤総領事は、恵民県で開催中の火把李廟会を見学しました。この廟会は明の時代から同県火把李村に伝わる伝統行事で、毎年旧暦2月2日に開催され、「不倒娃娃」と呼ばれる泥人形がシンボルとなっています。発祥は河南省のようです。
 資料によると、旧暦2月2日は龍が頭をもたげて雨を降らせ、種まきが始まる暦日にあたることから「青龍節」と呼ばれ、雨風を司る天の青龍が五穀豊穣をもたらすよう願う日なのだそうです。「不倒娃娃」は倒しても起き上がる様子から、子供が龍のように元気で逞しく育つことを象徴する縁起物とされています。
 見学した当日は快晴だったこともあり、平日にも関わらず大勢の人で賑わっていました。縁日でお馴染みの屋台が並ぶ中を歩いていくと、しばらくして「不倒娃娃」を扱う一角が出てきました。全てデザインは似ていますが、よく見ると手作りのためそれぞれに個性が感じられます。その素朴感が何とも言えません。
 日本にも、これと似ている縁起物としてダルマがあります。ダルマはインドから中国に仏教を伝えた達磨大師を形取ったものです。購入したら願いごとをしながら片目に黒目を書き込み、成就したらもう片方にも黒目を入れ、神社や寺でお焚きあげをしてもらいます。この風習は中国から伝わった「不倒娃娃」が、後に達磨大師の不屈の精神と結びついて発展したと言われています。
 総領事の出身地である群馬県の高崎市は、ダルマの生産量が全国一で、毎年元旦に火把李廟会と同じようなダルマ市が開催されます。今回の見学は、中国の地方都市の伝統文化を楽しむだけでなく、総領事にとっては地元の年中行事を思い浮かべつつ日中文化交流の繋がりも再発見する有意義な体験となったようです。