濱州漫遊記

令和8年3月31日
 先日、濱州市に出張した斎藤総領事は、用務後に市内の代表的観光スポットである黄河楼と孫子兵法城を訪問しました。
 黄河楼に着く前には、黄河にも立ち寄りました。黄河の全長は5464キロ、日本最長の信濃川のなんと15倍もあります。そのゆったりとした流れは、中国の大地に農耕文化を花開かせ、その後中原に誕生した数々の王朝国家の栄枯盛衰を見守ってきた、まさに「母なる河」の呼び名にふさわしい大らかさを感じました。
 濱州市内のシンボル的存在となっている黄河楼は、黄河から少し離れた蒲湖風景区に位置しています。11層建ての最上階から市内が一望できるほか、フロアごとに黄河に関係する文化、歴史、民族や濱州各地の特色が紹介されています。黄河の上流では濱州周辺と全く異なる雰囲気があるようです。長江三峡下りのようなツアーがあれば是非、黄河の多彩な顔をゆっくり楽しんでみたいものです。
 孫子兵法城では、13棟ある施設を順に巡ることで、孫子兵法の各章のポイントを学べる設計となっています。作者・孫武の出生地については、史記の中で「斉国楽安」と紹介されています。この楽安は現在の恵民県か、お隣り東営市の広饶県の何れかと言われています。広饶県にも中国孫子文化園という施設があり、両県が孫武の故郷をお国自慢にしています。
 孫武の出生地と同様に、日本の古代史にも「邪馬台国」の存在地にまつわる論争があります。三国志第30巻「魏志倭人伝」には、邪馬台国は女帝・卑弥呼が治めていたとの記載があります。おそらく福岡県か奈良県のあたりと推測されるものの、決定的な証拠はまだ発見されていません。卑弥呼の実像とともに、日本の考古学界最大の謎と言われています。
 この日のランチは地元の食堂でロバ肉の軽食です。山東省西部から南部の各地でよく見かけるロバ肉は、「天に竜肉、地上にロバ肉」(中文: 天上有龍肉,地上有驢肉)と言われるほど美味しいとされています。日本人には馴染みのない食材ですが、クセもなく栄養価も高いことから、日本料理にも応用が利くかもしれませんね。
 山東省は経済大省に加え文化大省という肩書きも有しています。当館ではこれからも、日本との関連性に留意しつつ、当地の文化面の魅力にも触れていきたいと思います。