アイリンの中国拠点の訪問

令和8年10月21日
 10月14日、斎藤総領事はアイリンの青島事務所(中文:青島盛愛貿易有限公司)及び諸城市(濰坊市)の協力工場を訪問しました。アイリンは1968年、インナーメーカーとして名古屋市に誕生しました。 会社の紹介ビデオによれば、名古屋は口紅や化粧水と並び、1世帯あたりの肌着の購入額が日本一を誇る「美意識の高い都市」なのだそうです。
 このようなアパレル激戦区で半世紀以上にわたり揉まれ続け、業界の有力企業へと成長したアイリンが、2005年に海外唯一となる生産拠点として開設したのが「青島盛愛」です。同社は現地の協力工場と提携し、日本側の顧客の要望に応じデザイン化された、インナー類を中心とするアパレル商品を生産管理・輸出する貿易業務を行っています。
 今回訪問した諸城市の協力工場(中文: 諸城方利制衣有限公司)は、山東省内に約15か所ある協力工場の一つで、「青島盛愛」として取扱量が最も多い工場でもあります。同工場の製品は他の日系企業からの受注分を含めほぼ全てが日本向けとのことで、その品質の高さが窺われます。約300人の工員が揃ってミシンに向かう光景は壮観でした。裁断機を除くと、投資効果の観点から基本的には手作業中心の昔ながらの作業スタイルが、今でもこの業界の実情なのだそうです。
 インナーの業界は流行スピードが早いのが特徴で、「青島盛愛」が扱う商品も吸水速汗、保温、接触冷感、血行促進などをキーワードとする機能性商品が多く見られました。アパレル業界では中国と周辺アジア諸国との分業体制も一般化しており、「諸城方利」もカンボジアに自社工場を持ち、商品により役割分担しているとのことでした。
 海外生産拠点が多様化する中にあっても、歩留まり率 (不良品率)、リードタイム、原料依存度などを含めた全体コストを考えると、中国拠点の優位性は依然として大きいと言われています。中国拠点の必要性に些かもぶれを見せないアイリンの決意とこれを支える協力工場の活躍が、今後もその正しさを立証し続けてくれることを期待したいと思います。